2022.03.29お知らせ

少年法改正について

『少年法の改正 ~取材~』

4月1日から少年法が変わり「特定少年」という少年たちが誕生します。

特定少年とは、重たい罪を犯した場合、18歳・19歳の少年が実名で報道をされて大人と同じ刑罰を受ける少年の事をいいます。

例を挙げると、新聞やニュースで「少年」と記載されていたのが、「渋谷幸靖」というように実名が報道されてしまいます。

これは何を意味するかというと、一度Googleで「渋谷幸靖」と検索してみてください。
検索をすると、僕の講演会の事や新聞に掲載された情報、団体の情報などたくさんの記事が出てきます。

仮に、これが事件を起こした記事が出てきたら、皆さまだったらいかがでしょうか?
経営者の方や人事を担当している方でしたら、おそらく多くの方が採用を見送る事になると思います。

また、名前が出れば「〇〇の息子さんだよね?」とその家族にも影響をして、職種によっては仕事を辞めないといけなくなったりする場合も出てきます。

そして、一番の問題は、やり直すチャンスが狭まってしまうという事です。

再び犯罪をしてしまう人の半数は無職の状態です。
つまりは就職ができないと、再び犯罪を犯してしまうという事です。

今の現状で再犯率は一向に減っていない状況ですが、さらにやり直すことが難しい社会が出来上がってしまいます。

その他にも、大人と同じ罰を受けるという事は、少年院の教育を受ける機会を逃してしまう事にもなります。
少年院と刑務所の大きな違いは、「教育」と「罰」です。

未熟な少年たちに教育を与えるのか、罰を与えるのか。

勉強が苦手な子どもがいたら、皆さまでしたらどうしますか?
命令口調で怒鳴りつけますか?押し入れに閉じ込めて罰を与えますか?

未熟だからこそ、その問題を解けるように教えてあげる事が大切ではないでしょうか。
つまりは罰ではなく教育です。

厳罰化に賛成をしている方が多いというデータがありますが、もっと少年たちの事を知ってほしいなと感じます。

少年院に入る子は、「悪い」とか「怖い」というイメージが多いと思いますが、それは違います。
当たり前と呼ばれている「普通の生活」ができなかった子たちなんです。

法律的には加害者です。
しかし、その裏には被害者の一面を持っています。

今回の少年法改正には様々な意見がありますが、僕は少年たちの深い部分を誰よりも知っているだけに「反対」です。

そんな想いをメディアのインタビューで答えさせて頂いています。
「メ~テレ(名古屋テレビ)」「CBCテレビ」「日本テレビ」の報道番組で放送されます。

法律を変える事はできないですが、大人の意識は変える事ができます。

一人でも多くの大人が、少年たちの人生の再出発を応援してあげれる社会を創っていけたらなと想います。
しっかりと反省の念を抱き、いつか誰かの為に何かができる青年へと導いていきたいです。

写真は、中日新聞の取材の風景です。

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