4月13日 中日新聞に掲載「自立援助ホーム設立の想い」
『少年法を考える会』
6月26日に少年法を考える会を開催致します。
無免許運転の少年が登校中の小学生の列に突っ込み、娘さんとお孫さんを亡くされた被害者遺族の中江 美則さんにご登壇を頂きます。
被害者側と加害者側の両方の話を聞く事により、見えてくるものがあると考えています。
ご登壇を引き受けて頂いた事に深く感謝をすると共に、「加害者と被害者の先に見えるものは」を問いたいと思います。
ゲストとして、愛知少年院の次長や、少年法の立ち直りに関する著書も多数執筆されている熊本大学法学部の岡田 行雄さん、少年院に勤務されている独立型社会福祉士の渡邊 美代子さん、少年の立ち直りのプロセスを研究している、元家庭裁判所調査官の廣井いずみさん、当法人から監事である弁護士の長尾美穂さんにご発言をお願いしています。
午前の部は、第二回の通常総会を行いますので、NPO法人陽和の事業報告と今後のビジョンも是非聞いて頂けますと幸いです。
お申し込みはこちらになります↓
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSf4pXWSooxooyBhwrIUZrbJzY1FHqrOWhjaiYsVwqdXyYV6tg/viewform?usp=sf_link
お申込みフォームの操作が分からなければ、お電話でも受け付けさせて頂きます。
電話番号:052-893-9899
『1年の終わりに』
昨日は1年の終わりに山登りに行き、自然を感じながら自分と向き合い、1年を振り返りました。
2021年を振り返ると、一度も体調を崩すことなく、色々なご縁のお陰で1年を笑顔で終えることができたなと感じ、感謝の気持ちでいっぱいになりました。
コロナ禍ではありますが、子どもの支援に自粛という言葉は僕の中ではなく、毎日が困難を抱える少年や保護者さんと向き合う日々でした。
バカは風邪を引かないという言葉がありますが、一度も体調を崩すことがなく毎日を楽しく過ごさせて頂きました。
また、再犯率が高いといわれている社会ですが、団体を設立してから再び少年院に入ってしまう少年は0人で、有り難いことに関わる少年たちはみんな社会で生活をしてくれています。
愛知県の再犯防止に取り組む団体として登録して頂いたり、愛知県や愛知県警察本部との意見交換会議に参加をさせて頂いたりと、活動の幅も子どもたちを様々な角度から関われる体制を、一歩一歩前進していけたかなと思います。
もちろん、うまくいくことばかりではなく、「猫が死んだから休みます」と言って仕事を休んでしまったり、一緒に企業様に謝りにいくことも頻繁にありましたが、少年を受け入れて下さる企業様に恵まれ、陽和で関わる9割の少年は、学業や就職をして毎日を過ごさせて頂いています。(残り1割は発達障がいなどを抱えて練習中の子たちです)
そして、有難いことに、少年たちの失敗にもたくさん寄り添わせてもらいました。
少年たちはたくさん失敗をします。
びっくりするぐらいの失敗もします。
「そんな事がある?」と、驚きを通り越して笑ってしまうような出来事もたくさん起こります。
しかし、僕は「失敗しない人生の方が、よっぽどの失敗」だと考えています。
行動をしない、挑戦をしない、困難が無い人生は無難な人生といいます。
困難が有ることは、有り難い事。
ありがとうを漢字にすると「有難う」になります。
つまり、失敗は挑戦するから生まれます。
元気の良い子ほど、失敗をたくさんします。
有り難いことに、力の使い方を間違え、正しく力を使えない子が僕のもとに集まってくれます。
そんな挑戦する少年たちの失敗を価値に変えていくことが僕の喜びです。
団体を設立して、関わる少年の人数は1.5倍になりました。
たくさんの少年たちと出会えた事や、温かいコメントを下さる皆様、活動を支えてくださっている皆様に心より感謝申し上げます。
来年も、太陽のようなポカポカとした暖かい光を、困難を抱えた少年や保護者さんに届けたいと想います。
明くる年も変わらぬご愛顧をいただけますようお願い申し上げて、年末のご挨拶とさせていただきます。
どうぞ良いお年をお迎えください。
追伸 今日は昨日の疲労でお尻から足の先まで筋肉痛です。
少年たちから「カッコ悪いおじさん」と呼ばれないように、いつまでも自称「お兄さん」と貫けるように、背中で語れるお兄さんを目指していきたいと思います。
令和3年12月31日
特定非営利活動法人 陽和 理事長 渋谷幸靖
NPO法人陽和はこの度、再犯防止に取り組む団体として、愛知県のホームページに掲載して頂くことになりました。
再犯だけではなく、全ての少年犯罪を減らしていけるように、邁進していきます。
一人でも多くのご家族の笑顔が戻ることを願っています。
お子さんが逮捕されたり、少年院に入りこれから先の道が見えなかったり、トラブルに巻き込まれたり、家族関係が悪くなっていたり、発達障害などで生きにくい環境だったりと、家族だけでは解決できない場合が多いです。
夜間の対応も休みなく対応していますので、1人で抱え込まずにご相談下さい。
『少年院で講話』
今日は、少年院に入院している少年全員に講話をさせて頂きました。
全体行事でしたので、号令が飛び交う少年院らしい雰囲気で、普段の面会室で見せてくれる楽しそうな笑顔はありませんでした。
「1・2、1・2」の号令に合わせて、少年が行進をして講話室に入って来てくれました。
少年院の先生の「止まれ!」の声で行進が終わり、椅子に座った後は「黙想」の声で少年たちは目を閉じて静かに待ってくれました。
手はしっかりと太ももの付け根に置かれていました。
講話が始まると、「大人が嫌いな大人だからみんなの仲間だよ」と挨拶をさせて頂き、「歯を食いしばって頑張れとか、汗水流して働きなさいとか、そんな眠くなるような話をしにきた訳じゃないからね」と伝えて、話をしていきました。
社会に帰ってから訪れる劣等感や、自分に負ければ再び罪を犯すことになるという事や、それを乗り越えていくにはどうしたらいいかなどを伝えると、講和後には質問の手が止まりませんでした。
また、「将来の夢や目標がある人は手を挙げてください」と質問すると、約9割の子が元気よく手を挙げてくれました。
大学生の子に同じ質問をすると2割程度しかいつも手が上がりません。
元気よく手を挙げる少年たちを見て、嬉しくなり「ありがとう。俺はいつも色々な大人に、少年院に入る子は力の使い方を少し間違えただけで可能性の塊なんです!って、みんなの事を話してるんだ。その夢や目標を実現できるようにしていこうね。みんなは自慢の子たちだよ」と伝えました。
そして最後にこのように伝えました。
「今、少年院に居る時間を大切にしてほしい。社会に出ればYouTubeやゲーム、友達などたくさんの楽しい事が待っている。
一方で、社会で自分に向き合う時間を作ることはとても難しい。本を読もうと思っても他にやることがあって中々読めなかったりする。
社会に帰るまでの時間が、自分に向き合う最後のチャンスという気持ちでとらえてほしい。
そして、自分に向き合い、自分にとっての幸せを見つけてほしい。
お世話になった人へ恩返しなのか、お母さんへの親孝行なのか、仕事を頑張ることなのか、人それぞれ道は違うけど、自分にとって大切な何かを持たない限り、社会に出た時に自分との戦いに負けてしまう。
社会に出れば大人から否定されたり、嫌なことや悔しい事がたくさんある。失敗だってたくさんする。
僕は25歳の時に赤いペンでNPO法人を作るという夢をノートに書いた。
だから自分に負けそうな時が訪れても、乗り越える事ができた。みんなも自分の大切な何かを見つけてほしい。
見つけれなかったら一緒に探そう。大人でもみんなを応援してくれる大人もいる。だからいつでも頼って下さい」
今日、出会った少年たちが、「僕は少年院に入って良かったです」と胸を張って言える日が来ることを願いたいと想います。
先日、市役所の職員の方から連絡を頂き、少女と繋がらせて頂きました。
虐待を受けて育ち、とても苦しい家庭環境の中、実家を出てなんとか自立へと進んでいた矢先に、コロナで職を失いました。
そして、すぐそこまでに仕事ができる工場の仕事を住み込みでやるも、仕事があわなくうつ状態になり、仕事を辞めることになった少女。
住み込みの仕事なので、仕事を失えば家も失うという状況でした。
家族に頼る事もできず、今後の見通しが難しい為、一緒にこれからの事をお話させて頂くことになりました。
面談をすると、とても緊張している様子でしたが、すぐに明るく話をしてくれました。
しかし、明るい表情とは裏腹に所持金は1000円しかなく、今日寮を出ないといけない状況でした。
つまり、今日の夕方から所持金1000円で住所を失い「住所不定」になってしまう所でした。
生活基盤を整えることを考える必要があり、彼女の好きな事や今後挑戦したいことなど、彼女の希望を元に色々な選択肢を探しました。
そして、人と触れ合う事がやりたいと希望を教えてくれた為、彼女の明るさや優しさが生かせられる介護の仕事を提案しました。
彼女も興味を示してくれた為、その場で見学の段取りを、理事の杉浦 直美さんが手配してくれました。
住む所も考えないといけなかった為、制度を利用させて頂き、市役所の職員の方が、動いて下さることになり、住む所と仕事の見通しを立てることができました。
面談が終わった後、安心してくれたのか、最後にこのような言葉を言ってくれました。
「いつも誰にも相談できず自分で考えてばかりだったので、すごく心強く感じました」
今まで苦労をしてきた分、笑顔で生活ができるようになってほしいなと想いました。
今回、彼女とのご縁を頂いた市役所の職員の方に感謝すると共に、改めて行政機関と連携を取る事の必要性を強く感じました。
一人でも多くの少年少女と繋がっていけるように、入り口を広げていきたいと想います。
朝日新聞の歴史ある「ひと」に掲載して頂きました。
NPO法人陽和では、子どもたちを一緒に支えて頂ける会員様を募集しています。
困難を抱えた子どもたちは、普通の生活を送る事が難しい状況にいます。
制度の狭間で苦しみ、誰からの支援もなく、出会った時には電気代が払えない状況で、電気が止まってしまうようなケースが後を経ちません。
育ち盛りな時期なのに、1日の食事がカップラーメン1つだけで生活をしている子もいます。
当たり前の事が、当たり前ではないのが困難を抱えた子どもたちの環境です。
1人でも多くの子どもたちを笑顔にしていけるように、皆様のご協力をお願いさせて頂いております。
年会費は3,000円になります。
会員になって頂くと、会員様限定で毎月の活動報告を見る事ができ、日頃の活動をより身近に知る事ができます。
また、会員様限定の勉強会や交流会のお知らせを送らせて頂きます。
NPO法人陽和は、皆様と一緒に歩みます。
誰一人取り残さない社会を目指し、「どの子も大切に」を団体の柱として、活動を邁進して参ります。
会員希望の方は、ホームページ内のお問い合わせからご連絡を頂くか、npo.hiyori8@gmail.comまでご連絡を頂けますと幸いです。
◆お問い合わせ◆
https://npohiyori.net/contacts/
陽和設立の想いなどをお話しさせて頂きました。
こちらをクリックすると聴く事ができます。
↓