『今日で住所がなくなる女子』
先日、市役所の職員の方から連絡を頂き、少女と繋がらせて頂きました。
虐待を受けて育ち、とても苦しい家庭環境の中、実家を出てなんとか自立へと進んでいた矢先に、コロナで職を失いました。
そして、すぐそこまでに仕事ができる工場の仕事を住み込みでやるも、仕事があわなくうつ状態になり、仕事を辞めることになった少女。
住み込みの仕事なので、仕事を失えば家も失うという状況でした。
家族に頼る事もできず、今後の見通しが難しい為、一緒にこれからの事をお話させて頂くことになりました。
面談をすると、とても緊張している様子でしたが、すぐに明るく話をしてくれました。
しかし、明るい表情とは裏腹に所持金は1000円しかなく、今日寮を出ないといけない状況でした。
つまり、今日の夕方から所持金1000円で住所を失い「住所不定」になってしまう所でした。
生活基盤を整えることを考える必要があり、彼女の好きな事や今後挑戦したいことなど、彼女の希望を元に色々な選択肢を探しました。
そして、人と触れ合う事がやりたいと希望を教えてくれた為、彼女の明るさや優しさが生かせられる介護の仕事を提案しました。
彼女も興味を示してくれた為、その場で見学の段取りを、理事の杉浦 直美さんが手配してくれました。
住む所も考えないといけなかった為、制度を利用させて頂き、市役所の職員の方が、動いて下さることになり、住む所と仕事の見通しを立てることができました。
面談が終わった後、安心してくれたのか、最後にこのような言葉を言ってくれました。
「いつも誰にも相談できず自分で考えてばかりだったので、すごく心強く感じました」
今まで苦労をしてきた分、笑顔で生活ができるようになってほしいなと想いました。
今回、彼女とのご縁を頂いた市役所の職員の方に感謝すると共に、改めて行政機関と連携を取る事の必要性を強く感じました。
一人でも多くの少年少女と繋がっていけるように、入り口を広げていきたいと想います。