〖困難を抱えた子ども達の環境を知り、何が必要なのかを考える〗6月30日開催
6月30日に今年度初となる勉強会を開催致します。
今必要な支援のあり方とは。
支援者・保護者が壁にぶつかるポイントには共通点があります。
数々の壁を乗り越えてきた、支援者と当事者の若者の話を聞き、皆様と共に考える事を大切にしている勉強会です。
開催日時:6月30日 14:00~16:30 参加は無料。(オンライン参加もあり)
皆様のご参加、お待ちしております。
お申し込みはこちらからよろしくお願いいたします。↓
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfXhphEfckJo5i7cS-p_4J5Uz6SXqtV_5gKiY-0jxMlWTyj-A/viewform?usp=sf_link
愛知少年院より感謝状を頂きました。
愛知少年院では、少年達への講話や、保護者様に向けての講演を2ヶ月に一度行わせて頂いています。
少年達には、再犯をしない為のポイントや、交友関係、環境についてをお話させて頂き、保護者様には、社会に出てからの子どもとの関わり方、向き合い方をお話させて頂いています。
講話を聞いて、「自分も支援者になりたいです」と勇気を出して手紙をくれる少年もいます。
1人でも多くの少年が、自分の辛かった過去、苦しかった経験を価値に変えて、誰かの為に、何かができる青年へと、成長していける事を願うばかりです。
NPO法人陽和は、少年や保護者様の笑顔が増える様に、活動を邁進して参ります。
令和5年度、勉強会を開催させて頂きます。
NPO法人陽和には、青年部という将来子どもに関わる仕事を目指す学生さんが所属しています。
なぜ青年部を設けたかというと、僕は活動を通して子ども達の支援が大人のルールや都合で決められてしまっていたり、子どもの気持ちを汲み取ることなく、上から目線であったり、勝手な決めつけにより、心の扉を閉ざしている子どもを何人も見てきました。
先日もこのような出来事がありました。
陽和と提携をしている企業が、少年の受け入れで動いてくださっていました。
その少年は色々な事情がある為、行政の方も関わっている子でしたが、受け入れについて行政の方と社長が打ち合わせをする事になりました。
しかし、打ち合わせが終わった直後、社長から怒りの電話がかかってきました。
「少年院を出た子はすぐに仕事も辞めるし、続かないし問題を起こす事が多い。本当に大丈夫ですか?」と、冷たく言われたそうです。
社長は続けて、「なんであんな言い方するんですかね?これから頑張ろうとしている子に対して。言い返してしまいそうになるぐらいムカつきました。ここで何か言ってしまうと受け入れに問題が出てしまうといけないと思って我慢しましたが・・・」
と、教えてもらいました。
そして、電話の最後には「あんな大人が関われば、またグレて犯罪しますよ。少年の気持ちが分かりました」と素直な意見も話して頂きました。
もちろん、想いのある素晴らしい行政職員さんもいらっしゃいますが、不思議と僕が子どもたちの口から聞く話は、とても支援者としてふさわしくないような行動や言葉に溢れています。
今回の様な出来事をたくさん経験してきた僕は、団体の中に青年部という枠を作り、将来行政職員を目指す若者を受け入れて、子どもにしっかりと寄り添えるように共に成長していき、一緒に子どもたちを笑顔にしていけないかなと考えました。
なぜなら、子どもたちの本音の気持ちや、子どもたちに寄り添う為の大切な事は、教科書では学べないからです。
いくら本で勉強をしても、現場ではマニュアルなどありません。
学校の試験で合格しても、満点を取っても、社会で大切な人間力というスキルは別の所にあります。
社会に出る前から、困難を抱えた子どもたちに関わり、本音の部分を聞いたり、子どもたちと真剣に寄り添っている大人がどのような関わり方をしているのかを学んでもらえたら、社会に出た時に大きな変化に繋がると考え青年部を作りました。
心の扉を開く関わりができなければ、問題の本質が分からない為、支援のあり方は最も大切な部分になります。
そして、社会に飛び立った後は、一緒に子どもたちについて考え、そして寄り添い、子どもの最善の利益を追求していけたら社会を変えていけるなと考えました。
想いで作った青年部ですが、ありがたいことに大学で講演をした際に興味を持ってくれた学生さんを中心に増えていき、現在は15名の学生さんが所属してくれています。
今年大学を卒業の学生さんは、県職員や、保護観察官、家庭裁判所調査官など、様々な道に4月から進んで行きます。
終わりの始まりであり、これからが本番です。
陽和で感じた事を活かして、子どもに寄り添える社会人になる事を楽しみにしています。
そして、これからも志のある若者と出会えることを楽しみにしながら、想いを伝え続けていきます。
写真は、地方に配属が決まった学生さんから「お世話になりました」とお礼のお菓子を頂いた物です。
嬉しすぎて、食べれそうにありません。
先日は、愛知県からのお声がけにより、行政とNPOの意見交換会に参加させて頂きました。
陽和ともう一つ選ばれた団体は、スイーツ友達の荒井 和樹さんが代表をされている全国こども福祉センターさんでした。
話題提供は愛知県警察本部少年課です。
警察としての専門は「検挙」をするという業務だが、最近では「支援」という事に力を入れていく事の必要性を感じている。
しかし、どのように支援をしたらいいかという課題がある為、連携をテーマに意見交換をしたいという趣旨のもと、児童相談所、保護観察所、名古屋市などの専門機関の意見交換をしました。
行政の方が話し終えると、最後に渋谷がお話をさせて頂きました。
冒頭の言葉では、「現場で聞く少年たちの声を基にお話をさせていただく為、皆様にとって悪口を言われているような表現に聞こえてしまうかもしれませんが、どうか少年たちの声と思い、ご容赦頂けますと幸いです」と、お伝えした後、僕の関わる少年たちは「大人が嫌いだ」「行政の人とは二度と関わりたくない」という言葉を口にしている子が多い事。
保護者からは、「相談したが取り合ってもくれなかった」「なんの解決にもならなかった」という声も多く集まっている事。
陽和の活動をテレビ・新聞・SNSで知り、「こんな活動があったのが知らなかった」という声をよく聞く事。
学校、行政であっても非行を未然に防いだり、再犯をしない為の取り組みの弱さの問題。困難を抱えた子どもたち、家族の声が拾えていないのが現実という問題がある事。
また、支援があったとしても年齢が条件で支援が終わりになってしまうなど、子どもの事情ではなく大人の事情で支援が終わっているケースがあることをお伝えしました。
最後に、「行政の方が関わってこられた少年たちの中に、連絡が取れなくなる子がいると思います。しかし、僕達と連絡が取れなくなる少年は一人もいません。これが今の少年たちの現状であり、課題です」とお話をさせて頂きました。
会議終了後には「おっしゃる通り、デリケートな年齢になると連絡が取れなくなる子はいます。陽和さんには少年たちが本音で話ができるという映像が、浮かんできました」という言葉をかけて頂きました。
行政にしかできない事もたくさんありますが、その反面、できないことも必ずあります。
「子どもにとって何が一番幸せなのか」の気持ちを第一に考え、行政と民間の壁がもう少しなくなればいいなと感じています。
今回の会議をきっかけに、行政の方と一緒に動ける日が来ることを願いたいです。
『1年の終わりに』
昨日は1年の終わりに山登りに行き、自然を感じながら自分と向き合い、1年を振り返りました。
2021年を振り返ると、一度も体調を崩すことなく、色々なご縁のお陰で1年を笑顔で終えることができたなと感じ、感謝の気持ちでいっぱいになりました。
コロナ禍ではありますが、子どもの支援に自粛という言葉は僕の中ではなく、毎日が困難を抱える少年や保護者さんと向き合う日々でした。
バカは風邪を引かないという言葉がありますが、一度も体調を崩すことがなく毎日を楽しく過ごさせて頂きました。
また、再犯率が高いといわれている社会ですが、団体を設立してから再び少年院に入ってしまう少年は0人で、有り難いことに関わる少年たちはみんな社会で生活をしてくれています。
愛知県の再犯防止に取り組む団体として登録して頂いたり、愛知県や愛知県警察本部との意見交換会議に参加をさせて頂いたりと、活動の幅も子どもたちを様々な角度から関われる体制を、一歩一歩前進していけたかなと思います。
もちろん、うまくいくことばかりではなく、「猫が死んだから休みます」と言って仕事を休んでしまったり、一緒に企業様に謝りにいくことも頻繁にありましたが、少年を受け入れて下さる企業様に恵まれ、陽和で関わる9割の少年は、学業や就職をして毎日を過ごさせて頂いています。(残り1割は発達障がいなどを抱えて練習中の子たちです)
そして、有難いことに、少年たちの失敗にもたくさん寄り添わせてもらいました。
少年たちはたくさん失敗をします。
びっくりするぐらいの失敗もします。
「そんな事がある?」と、驚きを通り越して笑ってしまうような出来事もたくさん起こります。
しかし、僕は「失敗しない人生の方が、よっぽどの失敗」だと考えています。
行動をしない、挑戦をしない、困難が無い人生は無難な人生といいます。
困難が有ることは、有り難い事。
ありがとうを漢字にすると「有難う」になります。
つまり、失敗は挑戦するから生まれます。
元気の良い子ほど、失敗をたくさんします。
有り難いことに、力の使い方を間違え、正しく力を使えない子が僕のもとに集まってくれます。
そんな挑戦する少年たちの失敗を価値に変えていくことが僕の喜びです。
団体を設立して、関わる少年の人数は1.5倍になりました。
たくさんの少年たちと出会えた事や、温かいコメントを下さる皆様、活動を支えてくださっている皆様に心より感謝申し上げます。
来年も、太陽のようなポカポカとした暖かい光を、困難を抱えた少年や保護者さんに届けたいと想います。
明くる年も変わらぬご愛顧をいただけますようお願い申し上げて、年末のご挨拶とさせていただきます。
どうぞ良いお年をお迎えください。
追伸 今日は昨日の疲労でお尻から足の先まで筋肉痛です。
少年たちから「カッコ悪いおじさん」と呼ばれないように、いつまでも自称「お兄さん」と貫けるように、背中で語れるお兄さんを目指していきたいと思います。
令和3年12月31日
特定非営利活動法人 陽和 理事長 渋谷幸靖
◇お知らせ◇
名古屋市教育委員会の講座を担当させて頂きます。
講演テーマ
「更生への道を示す一筋の光」
日時:令和3年12月1日
東生涯学習センター 10時〜12時
『大人のあり方を考える勉強会』
活動の報告や、実際のケースを元に、困難を抱えた子どもと、
第3部では、理事長渋谷が関わる自慢の少年達が、
少年達は初のスピーチですので、是非、
zoom参加も可能ですので、
https://form.run/@npo-hiyori–
コロナ対策の為、
後援:愛知県 名古屋市 愛知県教育委員会 愛知県社会福祉協議会 名古屋市社会福祉協議会
先日、市役所の職員の方から連絡を頂き、少女と繋がらせて頂きました。
虐待を受けて育ち、とても苦しい家庭環境の中、実家を出てなんとか自立へと進んでいた矢先に、コロナで職を失いました。
そして、すぐそこまでに仕事ができる工場の仕事を住み込みでやるも、仕事があわなくうつ状態になり、仕事を辞めることになった少女。
住み込みの仕事なので、仕事を失えば家も失うという状況でした。
家族に頼る事もできず、今後の見通しが難しい為、一緒にこれからの事をお話させて頂くことになりました。
面談をすると、とても緊張している様子でしたが、すぐに明るく話をしてくれました。
しかし、明るい表情とは裏腹に所持金は1000円しかなく、今日寮を出ないといけない状況でした。
つまり、今日の夕方から所持金1000円で住所を失い「住所不定」になってしまう所でした。
生活基盤を整えることを考える必要があり、彼女の好きな事や今後挑戦したいことなど、彼女の希望を元に色々な選択肢を探しました。
そして、人と触れ合う事がやりたいと希望を教えてくれた為、彼女の明るさや優しさが生かせられる介護の仕事を提案しました。
彼女も興味を示してくれた為、その場で見学の段取りを、理事の杉浦 直美さんが手配してくれました。
住む所も考えないといけなかった為、制度を利用させて頂き、市役所の職員の方が、動いて下さることになり、住む所と仕事の見通しを立てることができました。
面談が終わった後、安心してくれたのか、最後にこのような言葉を言ってくれました。
「いつも誰にも相談できず自分で考えてばかりだったので、すごく心強く感じました」
今まで苦労をしてきた分、笑顔で生活ができるようになってほしいなと想いました。
今回、彼女とのご縁を頂いた市役所の職員の方に感謝すると共に、改めて行政機関と連携を取る事の必要性を強く感じました。
一人でも多くの少年少女と繋がっていけるように、入り口を広げていきたいと想います。